コンテンツマーケティング戦略の必要性とは?戦略を立てる手順を紹介
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こんにちは。ウェブコンテンツの企画・制作を担当する、編集者の寺田です。
以前に紹介した改善事例コンテンツのリライトで検索流入を700%に改善 – freee株式会社事例について、詳しいリライトのコツやSEOライティングの方法を教えてほしいという声が多かったので、具体的にどういう加筆・編集を行ったのか解説したいと思います。
目次
特定のキーワードにおける、検索結果の上位表示を狙ったコンテンツが、想定どおりに成果を出すことは多くありません。 おもな理由は2点あります。
1つは、コンテンツSEOの加熱により、多くの検索キーワードでは上位表示コンテンツが激戦区と化しています。そのような場合、記事内容の多くは類似してしまい、情報量ではほとんど差がない状況です。 そのため、圧倒的な独自情報でもない限り、新規コンテンツがいきなり上位表示を獲得することは困難です。
2つ目の理由として、Googleのアルゴリズムが複雑化したことが挙げられます。今や、そのロジックは内部の人間でも説明が困難とされ、どういうコンテンツが上位表示されるのかは「やってみないとわからない」という部分があります。 そこで、まずはコンテンツを広く展開し、反応が良かったキーワードからさらに上位を狙ったリライトで検索順位の評価向上を狙うという方法がおすすめなのです。いきなりホールインワンを狙うのではなく、着実にグリーンへ寄せて、バーディを狙うイメージです。
「新規コンテンツを作成→そこそこ順位がついたコンテンツをリライト」と2段構えにすることで、「コンテンツを作ったけど、上位が取れなかったから終わり」というように、使い捨てせずに済みます。 また、上位を獲得するために、どのようなコンテンツが必要とされているかをリライト作業で検証することにより、不足していた要素が何かを理解でき、新規コンテンツ作成時に、より検索に評価されやすい記事を制作することができるようになります。つまり、PDCAの流れができます。
このように、リライトを行うことで無駄になる制作コストを抑制し、より成果の出やすいコンテンツを制作するノウハウを蓄積することができるのです。
リライトの手順は、どのように進めればいいのでしょうか。
1. コンテンツ選定
2. 不足情報調査
3. リライト実施
各工程について、弊社サイト「SEO HACKS」を例にしながら、詳しく解説していきます。
順位を上げたいボリュームの大きなキーワードや、CVに近いキーワードから手当たり次第にリライトするのは非効率です。まずは、検索順位が11~30位にあるコンテンツを中心に、リライトを実施するといいでしょう。
検索順位が11~30位ということは、「悪くはないが、上位コンテンツには劣る」と検索エンジンに評価されている記事になります。逆にいうと、その劣る部分をリライトで補足することで、上位評価される余地があるということです。
Google Search Consoleなどで現在の流入キーワードと検索順位を確認し、リライトを実施するコンテンツを選定しましょう。
リライトを実施するコンテンツを選定したら、次はどのような情報が不足しているのかを調査しながら、改善点を精査します。
不足情報の調査には、狙うキーワードで上位表示されているコンテンツを確認し、自サイトのコンテンツと何が違うのか、どの情報が不足しているのかといった「差」を知る必要があります。
なお、上位表示コンテンツの確認するときにはパーソナライズド検索を無効化しておくと、正確な検索結果が表示されます。
不足している情報は、「ユーザーニーズが高い情報」と言い替えることもできます。 上位の競合コンテンツは、需要がある情報をカバーできているため、滞在時間や読了率などが高くなり、結果として検索順位が高く評価されています。
ですから、不足情報を調査するときは、単に項目をコピペするのではなく、「この情報が必要とされているということは、ユーザーニーズは◯◯じゃないか?」と、仮説を立てることが重要です。 この、ユーザーニーズを理解できているかどうかが、次の工程で価値の高い情報を追加して、リライトできるかどうかの分岐点となります。
記事を加筆・修正する過程で、特に重要な点は7つあります。
(1)タイトル
(2)リード/導入文
(3)見出し
(4)情報ソース
(5)太字や強調
(6)簡潔な文章
(7)図解
おもに、(1)から(3)はSEO要件として重視される項目で多く語られていますが、(4)から(7)は編集とUX改善の要件として必要な項目で、あまり語られることがない印象です。
それぞれ、詳しく解説していきましょう。
検索上位を狙うのであれば、キーワードはタイトルの前半部分に入れましょう。
タイトルは、検索エンジン向けの改善施策としてよく知られていますが、UXの文脈からも重要です。 なぜなら、検索という行動は、ユーザーが知りたい情報のキーワードを入力し、ずらりと並んだ検索結果から瞬間的に必要な情報がありそうかを判断し、選択します。
そのため、タイトルにおいてキーワードを見つけやすくすること、また競合コンテンツと差別化したタイトルにすることは、非常に重要なリライト作業となります。
多くの検索キーワードは、「◯◯とは何だろう?」といった、ユーザーの疑問です。そのため、リード文で回答となる「◯◯とは✕✕です」と結論を明記することで、ユーザーは納得してコンテンツを読み進めることができるようになります。
例えば、「インタビュー記事」というキーワードであれば、ユーザーが最初に求めている結論は下記となります。
インタビュー記事とは?
→ ある人物への取材を通して、人物像や企業理念などを文章化したものです。
できるだけ最初の部分に結論があると、ユーザーは知りたかった情報が早い段階で見つかり、安心して本文を読み進めることができるでしょう。
併せて、詳しく理解するために必要な情報や、どういう事態で困る人が多いのか、記事を読んでもらいたいのはどういう人かという方向性を示し、本文を読んで得られるメリットをイメージさせることが重要です。
例えば、上記の「インタビュー記事」に続く文章のイメージとしては、
・インタビュー記事にはどのような形式があるのか
・いつどのように準備をすればいいのか
・どのように作るのか
など、詳しく解説する流れになります。
なお、文章が3,000~5,000字といった長文になる場合は、リードの最後に目次を入れておくと記事概要を理解しやすくなるため、離脱率を抑制する効果が期待できます。
目次をどこまで詳しく書くかは好みによりますが、見出し(h2)にあたるものを列挙し、情報が煩雑となる小見出し(h3)以下は、記載しなくても問題ありません。
見出しに関連キーワードを入れることは、SEO効果が高い=必須という施策ではありません。必要性としては、「見出しにキーワードがあったほうがGoogleのクローラーにもコンテンツが発見されやすくなるが、なくてもかまわない」というものです。
見出しにキーワードが入っていることで、ユーザーが情報を見つけやすくなり、離脱率を下げたり滞在時間を伸ばしたりといったユーザー体験(UX)の関連数値を向上させ、結果として検索順位が上がると考えています。
そのため、できれば見出しの冒頭部分にキーワードを入れておくと良いでしょう。
クラウドソーシングで100記事、200記事と制作するような大量生産コンテンツの場合、ライターの品質管理が困難なため、根拠の乏しい情報が記事に混ざることがあります。特に、お金や健康に関する領域では、「YMYL(Your Money or Your Life)」というSEO関連の用語があるように、「何を根拠として説明しているのか」「その情報は正しいのか」が重視される傾向があります。
そのため、根拠となるデータや専門家の意見を交えながら文章を構成する必要があります。リライトの際には、根拠となる情報ソースを確認し、必要な情報を調査して追加することが重要です。また、古い記事であれば、法制度や市況が変化している可能性もあります。必ず1次情報である公的機関や専門家の出典を確認しましょう。信頼性が確認できない情報は、削除することも必要です。
文章が1,000字以上になる場合、大事な部分は太字や色をつけるといった強調があると、ユーザーの理解が早まります。特に、記事内容の理解に重要なポイントや、ユーザーニーズ(悩み)に回答する部分は、太字にする(strongタグを使用する)など見つけやすくします。
ただし、読んでほしいからといって強調部分ばかりになると、逆に重要な部分がどこかわからなくなり、ユーザーの信頼を下げてしまいます。本当に重要な部分に使用する程度にとどめるといいでしょう。
ライターの能力が低い場合、何を伝えたいのかわからない表現や、必要のない言葉が文章に多く混ざる傾向があります。そのため、一文を短くする、重複表現を削る、論旨を明確にするなど、可能な限り簡潔でわかりやすい表現になるよう、修正しましょう。
また、専門用語が登場したときには、必ず説明を補足するようにしましょう。一般の人が普段使っている単語で、わかりやすく表現することが大切です。
文章ばかりが続くと、ユーザーの集中力は下がり、離脱率が高まります。そのため、文章の内容を補足するようなイメージ図を挟むといいでしょう。図解があることで、流し読みでも要点を理解でき、読了率も高まります。
なお、公的機関のサイトは、数値データや図表の引用が自由です。出典を明記の上、積極的に引用することをおすすめします。
コンテンツのリライトを実施する際には、「どの記事の、どの部分を、どのように補うか」という視点が必要です。
慣れないうちは実施イメージをつかむのが難しいと思いますが、数をこなすうちに上位表示するために必要なリライトの感覚をつかむことができます。
記事を公開して終了にせず、地道にPDCAを重ねて、質の高いコンテンツをそろえていきましょう。
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