営業向けメディア「Senses Lab.」を成功に導いたマツリカの運営戦略

営業向けメディア「Senses Lab.」を成功に導いたマツリカの運営戦略

SFA(営業支援ツール)「Senses」を提供する、株式会社マツリカ。同社が2017年から運営するオウンドメディアが「Senses Lab.」だ。営業パーソンに有益な情報を提供する営業ナレッジメディアとしてスタートし、Sensesの顧客獲得に一役買っている。

まさに「成功したオウンドメディア」の象徴的な存在ともいえる「Senses Lab.」だが、いったいどのような変遷を経て現在に至ったのか。また、オウンドメディアとして成果を出すために、どのような運営上の工夫がなされているのか。

「Senses Lab.」の運営に携わっているSales & Marketing兼Senses Lab.編集長の根本翔一氏と、Marketingの伊藤佑介氏に話を伺った。

(2)

会社としても個人としてもメディア運営は未経験だった

――「Senses Lab.」の立ち上げの経緯について教えてください。

伊藤:オウンドメディアを立ち上げようということで企画が始まったのが2017年5月頃のことで、「Senses Lab.」のオープンは同年10月でした。当時、オウンドメディアが流行しており、弊社でもやってみようということでスタートしました。

――立ち上げの目的は何だったのでしょう。

根本:インバウンドマーケティングにおけるプロダクトの認知拡大と、Sensesの問い合わせといったコンバージョンを狙う目的です。立ち上げ当初は、認知を広げる目的の記事を9割、コンバージョンを獲得するための記事を1割というバランスで出していこうと考えていました。

――それまで、オウンドメディアなどは運営されていたのでしょうか。

根本:弊社自体が2015年創業の新しい会社ということもあり、会社としても初めての試みでしたし、メンバーにも経験者はいませんでした。そういった事情もあり、企画段階では外部のコンサルを入れてノウハウを学び、立ち上げを目指しました。

立ち上げ時の目標は全記事でSEO1位を狙うこと

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――メディアの運営ポリシーなど、立ち上げ時に決めたことについて教えてください。

根本:まずは、全記事SEOで1位を狙っていくことです。また、SFAであるSensesのコンバージョンにつなげることが目的のひとつでしたから、ターゲット層は営業部長や経営層に設定しました。とにかくコンバージョンを意識することは、最初から決めていました。

――他社メディアとの差別化などは意識されましたか。

根本:差別化のポイントはやはりSEOですね。初代編集長もそこは明確に意識して、SEOで1位を狙っていました。

伊藤:そもそもこの業界では、当時まだオウンドメディアをちゃんとやっている会社が少なかったように感じます。ですから、メディアをやるだけでも差別化になっていたと思います。

1年でPVは3倍、MQLは10倍にまで増加

――編集チームはどのように編成されたのでしょうか。

根本:記事の作成はおもに、「骨子作成」「ライティング」「チェック」「公開作業」という4つのフェーズを経て行います。メディア立ち上げ当初は、骨子作成を社員全員で行い、ライティングは外部のライターや、社内の持ち回りで行っていました。記事が出来上がったら、SEOや校正などのチェックを初代編集長が、内容のチェックを広報が行い、コーポレート担当者が公開作業をするという流れです。

その後、2019年4月にインターンだった伊藤が社員として入社し、編集長を引き継ぎました。さらに6月、私が伊藤から引き継いで編集長となり、現在は骨子作成と内容チェックを私とインターンが行い、公開作業もインターンに任せられるようになっています。伊藤には引き続き、メディア全体の効果測定や記事のディレクション、キーワード選定などに関わってもらっています。

伊藤:根本、外部のライター、インターンに、その時々でヘルプという感じでお願いしていて、編集チームの人数は3.5人から4人というイメージです。

――約2年間、メディアを運営していく中で、変わってきた部分はありますか。

根本:最初はMQL(※1)を追っていたのですが、最近ではインサイドセールスに渡してからのコンバージョン、つまりSQL(※2)化率もKPIに置いています。MQLは当初の計画より大幅にうまくいっていて、もっと先になるだろうと予測していた数字がすでに出ている状況です。

伊藤:ここ1年で月間PVは約3倍に、MQLは10倍まで増えています。

※1 MQL:Marketing Qualified Leadの略。マーケティング活動で創出された、リード(見込み客、案件)のこと。

※2 SQL:Sales Qualified Leadの略。営業活動で創出されたリード(見込み客、案件)のこと。営業部門に引き渡されたMQLのことを指す場合もある。

記事制作の最大のポイントはキーワードの選定

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――記事の制作で重要視されているのはどのようなことでしょうか。

根本:最大のポイントとなるのはキーワードの選定です。普段から商談中に出てきたキーワードをチェックしておき、キーワードプランナーでボリュームを調査します。あるいは、営業課題からキーワードを抽出することもあります。

キーワード選定のポイントが、競合他社を意識することです。というのも、他社のサービスと比較・検討いただくことも多いからです。他社のサービスを検索したときでもヒットするようにしたいので、あえて他社のサービスを紹介する記事なども作成するようにしています。これは、成功した施策のひとつですね。

私が編集長を引き継いだころは、まだ「Senses Lab.」の認知を上げていく段階でしたので、潜在層に響く記事も意識して、広く浅くキーワードを拾っていました。現在は、コンバージョンを意識する段階なので、そこを目的とした記事を中心に制作しています。

――戦略的ですね。

根本:私自身、マーケティングよりも営業の経験が長いので、現場にどういう課題感があるのかが感覚的にわかります。また、メディア運営についても、どういう記事がヒットするのかが見えてきました。

公開から効果測定、修正のPDCAを効率的に回すための工夫

――記事の骨子はどのように作成されるのでしょうか。

伊藤:キーワードから記事の骨子を作る際は、ターゲット層の想定、読者に興味を持ってもらいたいポイント、読み終わった後に読者にとってもらいたいアクションなどを考えます。骨子作成をインターンにお願いするときは、そこがずれることなく同じ質でアウトプットできるよう、あらかじめガイドラインを用意しました。

根本:実際の記事の執筆は外部ライターを中心にお願いしており、読みやすい文章を意識して編集しています。また、記事を公開しても終わりではありません。どの記事からどれくらいのコンバージョンが得られているかなど細かく効果測定し、当初の予定よりも数字が出ないようなら修正します。

数字が出ない原因は、流入が少ないのかコンバージョンが少ないのか、どちらかが原因です。どちらなのかを特定して、改善点を見つけていきます。リンクにパラメーターをつけて、どれくらい踏まれているのかを確認したり、修正の前後で比較したり、類似記事の傾向を確認したりしています。

――記事一つひとつにそれだけ注力すると、リソースの確保がたいへんではありませんか。

根本:効率良くPDCAを回すために、ツール連携でタスクを見える化し、公開後に自動で記事改善のタスクが作成されるようにしました。これにより、公開から2週間で最初の効果測定、修正後2週間経ってからさらに効果測定という流れができ、改善の抜け漏れ防止につながっています。

読者とのコミュニケーションを増やし、インタラクティブ性を高めたメディアへ

――今後の展開について教えてください。

根本:営業情報のプラットフォームとして、インタラクティブなメディアにしていきたいと考えています。例えば、インタビューなど、対話系の記事をもっと出していってもいいかもしれません。あるいは、読者と営業課題について話し合う対談など、読者とのコミュニケーションを増やしていきたいですね。

伊藤:「Senses Lab.」で得たノウハウを、コーポレートメディアの「mazrica times(マツリカタイムズ)」にも活かしていきたいですね。また、SEOにおける基本的なキーワードは網羅できた感があるので、今後はインターンなどの新しい視点も得て運営していきたいと思います。

 

根本 翔一(ねもと しょういち)
株式会社マツリカ Sales & Marketing兼Senses Lab編集長。伊藤氏より2019年に「Senses Lab.」編集長を引き継ぐ。

伊藤 佑介(いとう ゆうすけ)
株式会社マツリカ Marketing担当。大学在学時にインターンとしてマツリカに参加し、入社後は編集長として「Senses Lab.」に関わる。

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