【最強コンテンツの作り方 第2回】企画立案

【最強コンテンツの作り方 第2回】企画立案

もはや、ネットで集めた二次コンテンツを大量生産する時代ではありません。情報洪水の時代だからこそ差別化を図り、ユーザーに信頼される価値の高いオリジナルコンテンツが求められているのです。

本連載「最強コンテンツの作り方」では、情報収集からインタビュー、取材、企画、文章の作成方法まで、ユーザーの心をつかむコンテンツの作り方をお届けします。 第2回は、企画立案についてご紹介します。

企画を考える前にプロット(筋道)を作る

情報収集・リサーチをしたら、具体的に企画を考えていきます。企画を考える前に、まずはプロット(筋道)を作ります。

プロット(筋道)とは、「なぜ(Why)」→「誰に(Who)」→「何を(What)」→「どうなる(How)」かという、企画に至るまでのプロセスです。

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あなたがある商品を訴求するためのコンテンツ案を考える場合、ただやみくもにおもしろいアイディアを考えるのではなく、まず論理的にプロット(筋道)を考えます。そうすることで、千本ノックのようにアイディアを捻り出すという、無駄な時間を費やすことを避けられます。

思い付きやひらめきに頼ったアイディアでもいいのですが、効率良く、長期的視点でコンテンツを制作していくためには、全員が共通に認識できる基本コンセプトが必要になります。プロット(筋道)は、企画を立てるための憲法のようなものです。

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例えば、あなたは花屋さんの経営をしていたとします。

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その場合のプロット(筋道)の一例をこれからご紹介します。

バレンタインや誕生日、記念日だけではなく、日常的に男性が女性に花を贈る習慣を定着させたいとした場合、これが「なぜ(Why)」になります

しかし、基本的に日常の中に「花を贈る」という習慣がない男性に、いきなり習慣付けを訴求しても、無視されるでしょう。

ここではあえて、「花を贈る」対象を恋人や妻にしません。バレンタインの義理チョコのような、社内コミュニケーションの潤滑油的な習慣の定着を狙います。おもに独身男性や部下を持つ中年男性をターゲットに、自社の部署の女性に贈る習慣を提案します。これが「誰に(Who)」です。

その際に、ペルソナを設定します。ペルソナとは、一言で表すと「企業にとって最も重要で象徴的な顧客モデル」のことをいいます。年齢・性別・職業・年収・趣味・嗜好・性格、さらにはユーザーの隠れたニーズや意識・行動パターンなど、観察やインタビューで得られた調査データを、一人のユーザー視点のストーリーとして凝縮した人物モデルです。

ただし、そもそも男性の多くは、「花」にそれほど興味を抱きません。花に興味を持つようなフックが必要になりますが、品種の希少性や多様性など、花自体で差別化を図っても、花に興味のない男性に訴求できません。

そこで、商品にストーリーを与えることを考えます。クリスマスもバレンタインもハロウィンも、ストーリーから生まれたイベントです。これらのイベントが定着したことに、理由も根拠もありません。そこにストーリーがあり、共感する人が多かったから習慣として定着したのです。このストーリーこそが、プロット(筋道)の「何を(What)」にあたります。

人は一冊の本を買うのを渋っても、ストーリーにはお金を惜しまない

芸人の西野亮廣氏(キングコング)をご存じでしょうか。彼は、絵本作家としても活躍していて、「えんとつ町のプペル」(幻冬舎)という絵本は、35万部を超えるベストセラーとなりました。

友情や家族愛を描いたほろりとくる絵本で、ストーリーはハロウィンの日から始まります。主人公は空から落ちてきたゴミ人間。えんとつ町は渋谷がモデルになっています。渋谷のハロウィンは、毎年マナーの悪い人たちが捨てるゴミ問題が持ち上がります。そこで西野氏は、絵本を渋谷のハロウィンのシンボルにしようと考えました。

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最近のハロウィンを見ている限り、まだ「渋谷=えんとつ町のプペル」というブランディングには至っていないようですが、西野氏は、ハロウィンの翌朝にボランティアでゴミ拾いをするというプロジェクトを立ち上げていました。

絵本というジャンルは、出版界では売れないたぐいですが、逆に流行り廃りがなく、歳月を経ても朽ちないのが特徴です。きっと「えんとつ町のプペル」は、今後も長い年月をかけて売上を伸ばしていくことでしょう。「えんとつ町のプペル」は、渋谷のハロウィンのシンボルになるポテンシャルを十分秘めています。2019年には映画化されるそうなので、きっと東京国際映画祭(10月下旬~11月初頭)を狙ってくるのではないでしょうか。

これがストーリーです。人は一冊の本はなかなか購入しません。しかし、体験を伴ったストーリーにはお金を惜しみません。

コンテンツマーケティングでは、ユーザーの態度変容を促すために「モノ」「ヒト」「コト」の3つの軸があります。ストーリーはモノ(商品)軸をコト(体験)軸に変換することで、ユーザー(ヒト)に自分ゴト化してもらう役割を果たします。

花を買わない人に花を買わせるストーリーを作る

では、花屋さんは、ターゲットにどんなストーリーを与えることができるでしょうか。

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例えば、「社内コミュニケーションを円滑にする」をテーマにします。働き方改革が叫ばれる昨今、会社でのストレスの大半は忙しさ、長時間労働、プレッシャー、人間関係でしょう。

そんなストレスの巣窟になっている会社に、一輪の花があったらどうなるか?そんなストーリーを紡いでみます。一輪の花を通じて生まれる、ほろりとするお話でも、一服の清涼剤となるきれいな花の写真と花言葉でもいいでしょう。

実際にオフィスや会議室などを飾る、花の提案でもいいかもしれません。学校のように「花当番」を決めて、週替わりで花の世話係をしたり、上司から部下たちに花を贈る習慣を提案したり…。その際には、必ず「花を添える、花を贈る」ことで、社内コミュニケーションにどんな効用があるかを伝えます。

男性が花を意識するのは、せいぜい誕生日や母の日、送別会くらいです。だから、日常的な習慣にしてもらうためには、「贈り物」や「誕生日」というキーワードで訴求してもあまり意味はありません。毎日の仕事の中で、悩むこと、解決したいと思っていることなどから、関心を引くようにしなければなりません。

男性が女性に花を贈る習慣が定着することが目標、つまり「どうなる(How)」です。そのために、「花を贈る」ことが特別なことだったり、恥ずかしいことだったりしては意味がありません。仕事帰りのコンビニのように、毎日花屋さんに足を運ぶこともまずありません。 日常化するためには、例えばスマホアプリで日常的に会社に花を届けるサービスや、できるだけ贈る側の男性に負荷がかからないしくみづくりが必要になります。

そうすることで、男性はどうなることが期待できるのか。

  • 気の利く、優しい人という評判が広がる
  • 部下をいつも見てくれているという信頼感を与えられる
  • 元気が出る花言葉を贈ることで、仕事のモチベーションが上がる
  • 花好きという意外性をアピールできる
  • 「安らぎを与えてくれる人」となる
  • 社内全員が「今日はどんな花が見られるのか」と楽しみになる
  • 社内の雰囲気が良くなる

最初は周囲も驚くかもしれませんが、人はすぐに慣れるものです。習慣化すれば、すぐに義理チョコのようなプチイベントになるかもしれません。

例えば、こんな企画はどうでしょう。


オフィスに花束を。

贈る人も贈られる人も負担がないオフィスフラワー。

そんな日常に浸透するプチイベントの提言をしていきます。


以上、花屋さんを例にプロット(筋道)の立て方を紹介しました。 この「なぜ(Why)」「誰に(Who)」「何を(What)」「どうなる(How)」の4つのプロセスを押さえておけば、軸がぶれることなく、効率良く企画を考えることができるでしょう。

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著者紹介

成田 幸久(なりた ゆきひさ)
成田 幸久(なりた ゆきひさ) コンテンツディレクター(コンテンツマーケティング戦略支援・制作支援)

AMEX会員誌「IMPRESSION」や「ワイアード」日本版、JAL機内誌「winds」などで副編集長を務めた後、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほか、「ギズモード・ジャパン」創刊ディレクター、セブン–イレブンとヤフーの共同事業メディア「月刊4B」編集長、オウンドメディアのアドバイザリー支援など、ウェブメディアの企画・運用など実績多数。著書に『愛されるWebコンテンツの作り方 』がある。

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