もう一つのグロースハック条件「認知的負荷最小化」5つのポイント

もう一つのグロースハック条件「認知的負荷最小化」5つのポイント

ユーザー獲得直後の離脱

どの新サービスも抱えている悩みです。

アクイジション(ユーザー獲得)からアクティベーション(初回体験)へのフローは、プロダクトの使い勝手が理解されていない新サービスが必ず直面するハードルであり、このハードルを越えるか越えないかでグロースが大きく左右されるのです。

そしてこのフローをせき止める最大の原因が、「認知的負荷(Cognitive load)」の存在。Wikipediaで調べても出てこないまだまだマイナーかつ専門的な心理学用語ですが、新サービスのUXを語る上で決して忘れてはならないキーワードです。

本日は、「認知的負荷」というコンセプトの紹介と共に、認知的負荷を最小化するためのコツを5つ紹介致します。新サービスにかかわらず、リニューアルや大幅アップデートの際にも必ず役立つこと間違いないでしょう。

Point①認知的負荷は低いほど良い

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ウェブサービスやアプリにおける認知的負荷とは、「表面的なデザインやUIから、プロダクトの持つ意味や機能を理解するまでに脳内で辿るステップの数」を指す心理学用語です。

プロダクトに触れた時、操作方法や特定の機能が持つ意味を容易に理解出来るほど認知的負荷は低く、その反対、つまり説明書を何度も読み込まなくては操作方法がさっぱりわからないプロダクトを認知的負荷の高いプロダクトと呼びます。

ネット上にマニュアルや情報が公開されておらず、ほとんどの人が体験したことのない新サービスは、必然的に認知的負荷が高くなり、認知的負荷を最小化する取り組みの重要性が既存サービスよりも格段に増すのです。

モバイル時代の到来とともにウェブサービスやアプリの「ながら利用」が当然になり、ユーザーの集中力が散漫になる中で、認知的負荷の最小化は特にその重要性を増しています

「認知的負荷の最小化」と「デザイン・UIのシンプル化」はしばしば混同されがちですが、この2つは似て非なるもの。Point②の説明を基に、認知的負荷を正しく理解しましょう。

Point②シンプル化と認知的負荷最小化は似て非なるもの

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「認知的負荷の最小化」と聞いて皆様が思い起こすのは、以下のような対策でしょう。

  • ・サービスの利用目的を達成するまでのステップを削減
  • ・サービスの利用目的を達成するまでの時間を削減
  • ・不必要な機能の削除
  • ・各ページの要素を削減

上記の項目は確かに認知的負荷の最小化に欠かせない対策ですが、これだけでは単なる「UI・デザインのシンプル化」で終わってしまいます。

再度繰り返しになりますが、認知的負荷とは、「表面的なデザインやUIから、プロダクトの持つ意味や機能を理解するまでに脳内で辿るステップの数」を指す心理学用語であり、必ずしも実際にユーザーが踏むステップだけを意味するものではありません。

機能やステップを追加することで認知的負荷を削減することも可能であり(後述の「利用ガイドは負荷じゃない」を参照)、この違いを理解せずにステップや時間を削減した場合、アクイジションからアクティベーションのフローが更に鈍化する事態も考え得るのです。

Point③利用ガイドは負荷じゃない

ユーザーにアプリやウェブサービスの使い方を教授する利用ガイド(詳しくは同記事を参照)の設置は、初回体験(アクティベーション)とそれに次ぐ継続的利用(リテンション)の最適化に欠かせない対策です。

利用方法を読ませるという意味ではユーザーの利用を中断する利用ガイドですが、適切な利用ガイドを設置するだけで、「プロダクトの持つ意味や機能を理解するまでに脳内で辿るステップの数」を大幅に削減出来るのです。

「適切な利用ガイド」最大の特徴は、ユーザーの利用フローを最大限考慮しているということ。ここではグロースハックでお馴染みPinterestの例を取ってみましょう。

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上図は、ピンタレストの利用ガイドです。

ピンタレストの最重要機能の1つである「ピンする」を、実際のプロセスを体験させながら説明することで、「説明→利用」の手間を見事に省いています。

ユーザーに初期設定をさせながらコアな機能を同時進行で説明することで、認知的負荷の最小化にかかる「余計な」時間も最小化した事例です。

他にも、ユーザーが特定のアクションを取った(クリック、スワイプ、スクロールなど)瞬間に「利用ガイド」を表示することで、利用フローに沿った認知的負荷の最小化が可能になります。

Point④UIは統一性を意識する

認知的負荷を増加させる大きな要因の1つが、統一性に乏しいUIです。

以下の画像からもお分かり頂けるように、スマホアプリの操作には多種多様なアクションが存在します。

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たとえ適切な利用ガイドが設置されていたとしても、1つのアプリにこれら全てのアクションが存在すれば、制作サイドと違ってサービスの利用方法に関する見識が浅いユーザーの脳内は認知的負荷でパンクしてしまいます。ダウンロード直後に離脱されてしまっても文句は言えないでしょう。

私が最近個人的に気に喰わないのが、ブックマークアプリ「Pocket」の統一性の無いUIです。

お気に入りのアプリで、毎日のように使っていますが、以下のたった一箇所の使い方がいつまでたっても身につかない、つまり認知的負荷が大きいUI設計になっているのです。

①一覧から記事をタップで選択&スマホ画面で読みやすく最適化された記事を閲覧します。

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②通常であれば、記事を読み終えたら「端から右スワイプ」で記事一覧へ戻ります。

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③しかし、「この記事、どんなブログから拾ったっけ」と確認のためにウェブ・ビューに切り替えることもしばしばで、その際は「ウェブ・ビューに切り替え」を選択しますが、確認後に通常ビューに戻ろうとしても、「端から右スワイプ」で戻ることが出来ません。(結局ナビゲーションの「戻るボタン(矢印)」をクリックして戻ることに)

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些細なことではありますが、小さなことの積み重ねで認知的負荷はその量を増していきます。「戻る」という同一の操作であれば、アクションは統一性を持たせるべきでしょう。

Point⑤UIは「届けたい体験」に基いて決定する

画期的なデザインやUIは、技術が伴えば必ず試してみたいものです。

私もFacebookがPaperをローンチした時には、その斬新でクールなUIに誰より先に飛びついた部類の人間です。

しかし、画期的なデザインやUIに認知的負荷の増加はつきもの。制作サイドがこのジレンマに頭を抱えるのも当然ですが、最終的な判断の基準は必ず「プロダクトを通じてユーザーに届けたい体験」に重きを置きましょう

例えばあなたの提供するアプリがニュースアプリであれば、ユーザーに届けたい体験は「趣味趣向に合ったニュースを快適に閲覧できる」ことであるはずです。

果たしてこの体験を届けるために、奇抜なデザインやUIが本当に必要なのか(もちろん必要な場合もあるでしょう)、じっくりと検討することが重要です。

最後に

グロースハックを知っている方の間でもまだまだ馴染みの無い「認知的負荷の最小化」という概念。やや難しい概念であるが故に、若干記事が長くなってしまいましたが、グロースハックを達成する上で欠かせない対策であることに間違いはありません。

新サービスやリニューアルを構想する際には、本記事でお伝えした5つのポイントを踏まえ、ユーザーの脳内の利用フローを円滑化する努力を心がけましょう。

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