あなたのコンテンツマーケティングが失敗する5つの理由

あなたのコンテンツマーケティングが失敗する5つの理由

コンテンツマーケティングを実際に始めてみたものの、うまくいっていないと悩んでいる方は、意外と多いのではないでしょうか。

なぜコンテンツマーケティングを実施しても多くの企業が失敗するのでしょうか? それはコンテンツマーケティングの本来の目的を理解していない、もしくは誤った理解をしているために起きていることがほとんだと思われます。

コンテンツマーケティングが失敗するのは、予算配分の難しさや体制の不備、リソース不足、外注パートナーの選び方など、さまざまな理由が考えられますが、ここではコンテンツマーケティングの理解不足から起こる5つの失敗の原因について考えたいと思います。どんなにリソースと費用を投じても、コンテンツマーケティングの理解が間違っていると失敗は避けられないので、まずは原点に立ち返ってみましょう。

(1)自社の商品やサービスの宣伝に終始している

(2)明確なゴールを決めていない

(3)質より量を優先している

(4)Googleのストーカーになっている

(5)バイラルすることが成功の基準と考えている

 

では、順番に説明していきましょう。

(1)自社の商品やサービスの宣伝に終始している

まずあなたの運営しているサイトをご覧になってみてください。

「私たちは独自の戦略とアジャイルな実行力で確実な成果を探求します」

「高度な戦略と確かな品質管理で、貴社にご満足いただけるソリューションをご提供します」

たとえば、こんなキャッチコピーを使っていませんか? コーポレートサイトならこれでも構いません。しかし、あなたがいま実施しようとしているのは、コンテンツマーケティングなのです。

まずコンテンツマーケティングの定義を振り返ってみましょう。

“コンテンツマーケティングとは、適切で価値のあるコンテンツを作成し、配布するテクニックである。ターゲットとなる見込み客を明確に定め、理解することで、見込み客を惹きつけ、獲得し、関係を持ち、購買に結びつけることを目的とする。”

コンテンツマーケティングの定義を踏まえて、もう一度見てみましょう。

「私たちは独自の戦略とアジャイルな実行力で確実な成果を探求します」

「高度な戦略と確かな品質管理で、貴社にご満足いただけるソリューションをご提供します」

お気づきになったでしょうか。
これら上記のキャッチコピーには問題点が2つあります。

まず1つは、このキャッチコピーは、「ユーザー視点の適切で価値のあるコンテンツ」を提供していません。ユーザーは、あなたのサイトを訪問したときに、すでに何かしらの解決したい課題を抱えています。そのときにユーザーの課題を想定した入り口が必要になるのです。自社都合の一方的な主張をしても、ユーザーはどのように反応してよいのかわからないのです。

もう1つは、訴求の文面が具体性に欠けていて代替可能であること。これらのキャッチコピーを競合他社のサイトに当てはめてみてください。きっと貴社でなくても、当てはまるに違いありません。具体性のない美辞麗句を並べても、本来伝えたいメッセージは、課題を抱えるユーザーには届きません。

「独自の戦略」とは何か?
「アジャイルな実行力」とは何か?
「高度な戦略」とは何か?
「確かな品質管理」とは何か?

このような表層的な言葉の羅列は、何も具体的なことを言ってないため、説得力がまったくないのです。この「何か?」を伝えなければいけないのです。

ここではキャッチコピーを例に挙げましたが、企業がコンテンツマーケティングを実施するうえで、この「ユーザー視点」が意外と反映されてないことが多いのです。

 

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多くの企業は自社のアピールに躍起になるあまり、意外にもこういう一方的な主張をしがちです。これは合コンで「オレ、モテるよ」「オレ、面白いよ」「オレ、カッコいいよ」と連呼しているのと同じです。こんな主張を聞かされて、あなたは「なるほど〜」と納得するでしょうか。

コンテンツマーケティングを通して商品やサービスを紹介すること自体に問題はないのですが、ユーザーは、商品を通して自分がどのようなメリットがあるかを知りたいのです。

自分の役に立てば、どの企業の商品やサービスであろうと構わないのです。企業が自社の商品を魅力的なものとして訴求するのは当たり前なので、ユーザーは企業の発信する具体性のない美辞麗句のメッセージを鵜呑みにはしません。

あなたがユーザーに伝えるべきメッセージは、あなた自身ではありません。あなたは主人公であるユーザーがある課題を抱え、それを解決をしたいと思ったとき、もしあなたが一方的な主張をしたら、ユーザーは決してあなたに心を動かされたり、共感を抱くことはないのです。

 

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コンテンツマーケティングにおいては、「コンテンツ=広告」ではありません。「コンテンツ=ユーザーが求める情報」なのです。

(2)明確なゴールを決めていない

コンテンツマーケティングは、基本的にはユーザーとのエンゲージメント(信頼関係の構築)を目的に中長期的な戦略にのっとって進める施策です。

当然企業の目標は商品やサービスの売上げを増やして利益を出すことです。コンテンツマーケティングは広告・宣伝の売上げへの貢献度の効果が薄れてきている中で生まれた考え方ですが、費用対効果の予測が立てにくいのも事実です。コンテンツマーケティングにどれだけ投資したら、どのくらいの売上げにつながるか、相関関係を出すのが難しいため、ゴール(KGI)の設定が難しいのです。

しかし、ゴールを設定しない施策は、運営をしていく中で必ず迷走します。ゴールは途中で変更しても構いません。まずは小さなゴールでよいので必ずめざす方向を設定しましょう。

 

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たとえば、「より深い信頼関係を築く」のか「新しい見込み客を獲得する」のか、「見込み客に対して課題解決を提供する」のか、「商品やサービスを売った後の顧客のリピーター化」なのか…など、「何のためにやるのか」を明確に定める必要があります。そのゴールさえ決まれば、後はそのゴールをめざすための個々のKPIを設定していけばよいのです。

KPIは各ファネル(訪問客→見込み客→新規顧客→優良顧客)に合わせて、メールマガジンの開封率や被リンク数、ファン数、コメント数、PV,UUなど、設定したゴールに向けてPDCAをきちんと回せるように設定しましょう。

PVやUUやいいね!数はあくまでもゴールをめざすうえでの「指標」ではありますが、「成果」ではありません。重要なのは、コンテンツマーケティングを実施する前に「何のためにやるのか?」を十分に考えておくことです。

 

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ゴールをめざすときに、迷走しないために役に立つのがSMARTゴールという考え方です。それぞれの指標の頭文字をつなげてSMARTと呼びます。

 

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■Specific(具体的に)
「なぜ」「何を」「誰に」が具体的かつ明確であること。

■Measurable(測定可能か?)
目標の達成度合いが担当者にも会社にも判断できるよう、その内容を定量化します。

■Achievable(達成可能か?)
理想論や願望ではなく、その目標が現実的に達成可能な内容であること。

■Relevant(経営目標に関連しているか?)
会社の利益につながるもので、実現する必要性のあるものであること。

■Timely(時間設定をしているか?)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定すること。

少なくとも、上記のSMARTゴールを踏まえておけば、目標を見失って迷走することは避けられるでしょう。

自社が「なぜ」「誰に」「何を」を伝えるのか、明確でないならば、改めてコンテンツマーケティングをやるべきか、やるならどうすればよいかを議論を重ねたうえで実施してみるべきでしょう。

(3)質より量を優先している

コンテンツ制作において「質」ではなく「量」を重視している企業は往々にして、二次情報の寄せ集めのコンテンツの配信に終始しがちです。これをコンテンツファームと言います。

コンテンツファーム化することによって、同じ業界・同じジャンルで同じような記事が氾濫することになります。これはユーザーが本当にほしい情報を探しても、どこにでもある質の低いコンテンツにしか遭遇できない、という状況を招きます。安価で大量生産に向かいがちなコンテンツ制作は、自らその価値を貶める行為で、安かろう悪かろう、というコンテンツの大量生産のワナにハマっていくのです。

 

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最近、ある企業がクラウドソーシングを通して1本800円で「コンテンツマーケティングに関する記事」を書くライターの募集をしていました。あなたは1本800円で書かれたコンテンツマーケティングに関する記事を読みたいと思いますか? 1本800円ということは、時給アルバイトのレベルでさえ最低1時間で書かなければ採算がとれません。このような素人がお小遣い稼ぎに書くコンテンツが大量生産されているのです。コンテンツファーム化したメディアが、「なかなか集客ができないので、この記事を読ませるための記事を作成してほしい」と、また同じような記事を再生産します。

企業のオウンドメディアは、幸い広告収入を糧とする商業メディアのようにPVの呪縛に囚われる必要はありません。ユーザーに求められ、役に立つコンテンツの制作に注力すればよいのです。安く質の悪いコンテンツを大量生産するのであれば、同じ予算で少なくても質の高いコンテンツを作るほうがユーザーの利益になることは間違いありません。

たとえば予算が50万円だった場合、Web上でかき集めて適当にリライトした1本1000円の質の低い記事を500本を提供するのであれば、1本5万円で質の高い10本のオリジナル記事を作ってください。企業には、オリジナルのテーマが必ず埋まっています。オリジナルのネタがないのではなく、オリジナリティを見い出せていないだけなのです。

(4)Googleのストーカーになっている

コンテンツマーケティングは、比較的低予算で始められるのも大きなメリットです。リスティング広告での消耗戦に疲弊した企業が、コンテンツマーケティングに切り替えるケースも多く見られます。しかし、低予算でできるといっても、広告の代替策として考えると失敗します。

ここで陥りやすいワナが「ユーザーよりGoogleを追いかける」ことです。つまり検索でいかに上位表示されるかが目的になってしまうのです。

私はこれを「仲人ストーカー」と呼んでますが、結婚を考えている男性が仲人さんが紹介してくれる女性よりも、仲人さんを好きになってしまう現象です。Googleはユーザーにとって最も「価値のあるコンテンツを提供すること」が自社の生命線と考えているため、「価値のあるコンテンツ」から順番に表示していくことを目標としています。

 

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しかし、Googleとて完璧ではありません。広告は投下する費用に比例して露出も増え、影響力の強いメディアを使うこともできます。一方、「価値あるコンテンツ」は、必ずしも投下した費用に比例してすぐに成果(売上げ)を出してくれるとは限りません。そこで、できるだけ安く広くユーザーにリーチするためにクラウドソーシングなどによる記事の大量生産に頼る企業が増えるのです。

Googleが「私を追いかけないで」とメッセージを送っているにもかかわらず、多くの企業がストーカーの如くGoogleを追いかけながら、Googleの話に耳を傾けようとしません。

ここでGoogleが提示しているアドバイスをいくつかをピックアップしましょう。

【良質なサイトを作るためのアドバイス】(Googleウェブマスター向け公式ブログ)

■あなたはこの記事に書かれている情報を信頼するか?(Google)

誰が書いたかわからない記事をあなたは信用できますか?(筆者)

■この記事は専門家またはトピックについて熟知している人物が書いたものか? それとも素人によるものか?(Google)

素人が1本数百円で書いたコピペの二次情報をあなたは信用できますか?(筆者)

■このサイトで取り扱われているトピックは、ユーザーの興味に基いて選択されたものか?それとも検索エンジンのランキング上位表示を目的として選択されたものか?(Google)

ユーザーのためか、googleのためか。結果的に両者のためになっていても、制作するときの意識の違いはコンテンツが蓄積してきたときに、あなたの企業ブランディングに大きく影響してきます。(筆者)

■この記事は独自のコンテンツや情報、レポート、研究、分析などを提供しているか?(Google)

オリジナリティのない100本の二次情報の記事より、独自の記事1本を重視していることがうかがえます。(筆者)

■コンテンツはきちんと品質管理されているか?(Google)
■記事はしっかりと編集されているか? それとも急いで雑に作成されたものではないか?(Google)

あなたはコンテンツ制作のプロですか?あるいはライターに指示し、ライターとコミュニケーションを図る編集者ですか? 編集者不在のコンテンツの品質管理は誰がするのでしょうか?(筆者)

■このサイトは、そのトピックに関して第一人者(オーソリティ)として認識されているか?(Google)

二番煎じのコピペ記事が主体のコンテンツファームである限り、オーソリティにはなり得ません。(筆者)

■記事が短い、内容が薄い、または役立つ具体的な内容がない、といったものではないか?(Google)

1本1000円で発注された記事にこれ以上の要求が期待できるでしょうか?(筆者)

Webメディアには、ステマ記事、コピペ記事、薬事法違反記事、専門家なりきり記事、規約違反記事などの落とし穴がたくさんあります。実際にトラブルも数多く発生しています。そんな危ない橋を渡らずとも、自社が持つオリジナリティを掘り出し、料理する知恵を働かせたほうが、どれだけ安全で効率的でしょうか。

低品質のコンテンツをいくら大量生産しても、Googleには愛されません。「Googleに愛されたいなら、Googleのアドバイスに耳を傾けろ」です。

(5)バイラルすることが成功の基準と考えている。

バイラルとは英語で「伝染する」を意味し、口コミを利用し、低コストで顧客の獲得を図るマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングは長期戦です。瞬発力が求められる短距離走は得意としていません。一方、バイラルコンテンツは瞬間的な認知獲得を得意としますが、長距離走は得意ではありません。時間をかけてユーザーとのエンゲージメントを醸成する目的には向いていないのです。

バイラルコンテンツを、認知獲得のカンフル剤として組み合わせて使うことは手法の1つとして効果的です。しかし、バイラルコンテンツを作るときは、「ユーザーとエンゲージメントを構築する」というコンテンツマーケティング本来の目的を見失わないよう心がけることが必要です。

以前、ある企業が製品訴求に根拠がないということでネット上で炎上したことがありました。これをコンテンツマーケティングで対処しようということになったのですが、当初現場ではコンテンツを通してきちんと丁寧に向き合って説明をしていこう、という方向性で話が進んでいました。

ところが、土壇場になって上長が出てきて「バイラルしなきゃ意味がない!」と言い出し、バイラルコンテンツを大量生産して、ネガティブな記事をgoogle検索の上位から追いやろうと、という策に変更になったのです。これはキャンペーンかもしれませんが、コンテンツマーケティングではありません。程度の差はあれども、このようにコンテンツマーケティングを、SEOもしくは広告の代替策として捉えている企業はまだ多く存在します。

バイラルコンテンツはターゲティングを苦手とします。であれば最初からキャンペーン・コンテンツを制作したほうが効率はよいでしょう。

コンテンツマーケティングは即効性の特効薬ではない

以上、コンテンツマーケティングが失敗する5つの理由について紹介しましたが、重要なのはコンテンツマーケティングは、SEO対策や広告に代わる特効薬ではないということです。使い方も目的もSEO対策や広告とは違うのです。

では、コンテンツマーケティングを失敗しないためにはどうすればよいか?

「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供する」ことです。

難しいことではありません。少しずつでも我慢強く、時間をかけて育てていくことが、コンテンツマーケティングを成功させる唯一の方法なのです。

イラスト:タナカケンイチ

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著者紹介

成田 幸久(なりた ゆきひさ)
成田 幸久(なりた ゆきひさ) コンテンツディレクター(コンテンツマーケティング戦略支援・制作支援)

AMEX会員誌『IMPRESSION』、『ワイアード』日本版、JAL機内誌「winds」などで副編集長を務めた後、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほか『ギズモード・ジャパン』創刊ディレクター、セブンイレブンとヤフーの共同事業メディア『月刊4B』編集長、オウンドメディアのアドバイザリー支援など、Webメディアの企画・運用など実績多数。著書に『愛されるWebコンテンツの作り方 』がある。

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