あなたのコンテンツ力を採点する7つの指標

あなたのコンテンツ力を採点する7つの指標

オウンドメディアやブログを運営するとき、あなたは何を指標にコンテンツの評価をしていますか?
PVですか?「いいね!」数ですか?ネットワーク広告を収入源にするメディアであれば、それでもいいでしょう。しかし、オウンドメディアを運営する目的は、PVを増やすことではありません。ブランドを認知してもらい、ユーザーとの信頼関係を築き、ファンになってもらうことです。そして、最終的に自社の商品やサービスの購入につなげることです。

そんなとき、PVや「いいね!」数だけを指標にしていては、その数字に一喜一憂して、何のためにコンテンツを制作しているのか、目的を見失いかねません。今回は、ユーザーとの信頼関係を築くという本来の目的を達成するために、押さえておきたい「7つの指標」をご紹介します。

■コンテンツ力を測る7つの指標
1 ブランドとの関連性
2 差別化
3 ソートリーダー
4 解決策の提示
5 ストーリー性
6 発見・気付き
7 タイムリー性


オウンドメディアやブログのコンテンツ力を測るための指標は、それぞれ5点、3点、1点の3つのランクに分けて評価します。記事の最後には、合計点を基にした総合評価についてもご説明します。あなたの発信するコンテンツを自己採点しながら読み進めてみてください。

1 ブランドとの関連性

どんなにPVや「いいね!」数を増やしても、一過性の集客にとどまり、ブランドの信頼獲得に貢献しなければ、メディアとしての意味がありません。

・5点(★★★★★)

メディアに掲載されている記事の大部分が、現在、自社が提供しているか、将来において提供したい主要な商品やサービスに関連している。メディアが自社の認知獲得とブランドイメージ向上に寄与している。

・3点(★★★)
掲載されている記事の大部分が、商品やサービスを対象にしていないものの、自社のブランドに関連した内容を含んでいる。あるいは、自社のビジネスに関連したトピックを取り上げているが、特定の商品・サービスと関連性があるわけではない。

・1点(★)
ほとんどの掲載記事が、部分的には商品・サービスに多少関連しているものの、あまり重要でなく、見当違いの情報も含まれている。商品やサービスと意味のある関連性が見られない。

ブランドとの関連性 5点のメディア事例

■LIG
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伝説のウェブデザイナー」という採用コンテンツや、「結婚のご報告。30年彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由。」をはじめとしたおもしろコンテンツで、一躍有名になったウェブ制作会社のLIG。実は、オウンドメディア「LIG」のおもしろコンテンツは全体の1~2割程度で、その多くはウェブ制作のノウハウや知見を提供しています。その豊富な量と内容の濃いコンテンツで、ウェブ業界で高く評価され、ウェブ制作会社としてのブランディングに成功しています。

LIG(株式会社LIG)

2 差別化

いくら大量に情報を発信していても、競合他社との違いが見られないコンテンツばかりでは、情報の海に消えてしまいます。自社の独自性を訴求して、差別化を図ります。

・5点(★★★★★)
過去にまったく行われてこなかった切り口の記事を掲載しており、差別化が図られている。多くの情報の蓄積と、新しいオリジナルの洞察によって、ユーザーの興味・関心を促している。自社にしか発信できない付加価値(新しいアイディア、より多くの詳細、比較分析など)の高い情報を提供している。

・3点(★★★)
メディアに掲載されている大部分のコンテンツは、完全なオリジナルな切り口・内容ではないが、ほかのサイトで書かれているトピックを異なった視点で再提示している。新しいニーズを生み出す可能性が低い。あるいは、ユーザーに新しいニーズを気付かせるものの、ユーザー自身で解決可能であると感じさせてしまっている。

・1点(★)
コンテンツのほとんどが、ほかのサイトでも同様に取り上げられており、新鮮味に欠ける。常識に固執しており、付加価値をもたらさず、誰もが当たり前だと思う内容に終始している。

差別化 5点のメディア事例

■ライフネットジャーナル オンライン
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生命保険業界に一石を投じたライフネット生命保険。「ライフネットジャーナル オンライン」は、健康、介護、障害、貯金など、生命保険に限らず、さまざまな角度から「人生と仕事とお金について考える」メディアになっています。同社の会長や社長がみずから対談に臨んだり、執筆したりするなど、競合との差別化を図っています。商品紹介に特化したサービスサイトと、分けて運営しています。

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また、人気サイト「デイリーポータルZ」に掲載されたネイティブ広告「ハトが選んだ生命保険に入る」は、ライフネット生命保険の名を一躍有名にしました。
真面目で堅い生命保険会社のイメージを覆したユニークな内容は、まさに同社の差別化されたWebマーケティングの方向性が明確に伝わるコンテンツです。
一見ナンセンスな企画とストーリーですが、読んでいるうちに、生命保険のしくみについて理解できる構成になっていて、学べる点が多くあります。

ライフネットジャーナル オンライン(ライフネット生命保険株式会社)
デイリーポータルZ(イッツ・コミュニケーションズ株式会社)

3 ソートリーダー

業界に影響を与えるようなビジョンや付加価値の高い情報を発信し、業界を牽引する企業をソートリーダー(thought leader)といいます。業界において優位性のある強みを訴求します。

・5点(★★★★★)
自社の業界において、将来を先取りしたテーマやその解決策を提示し、ユーザーのあいだで話題を引き起こすような提案をしている。ユーザーとともに未来を形作っていく過程において、最も質の高い「thought(考え)」を発信することで、影響のあるポジションを獲得している。

・3点(★★★)
業界内でのソートリーダーとして認知は低いものの、自社の信用度を高めるコンテンツを配信している。エキスパートとしての存在感を訴求し、ブランドイメージの向上に寄与している。

・1点(★)
業界における後追いコンテンツに終始し、ユーザーにブランドのイメージを提供・維持することができていない。あるいは業界での独自のポジションを確保するための訴求ができていない。

ソートリーダーシップ 5点のメディア事例

■Mugendai(無限大)

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1969年に、日本IBMが創刊した広報誌「無限大」が前身である「Mugendai」は、テクノロジー、ビジネス、科学、社会、文化、教育といった切り口で、国内外のイノベーションを紹介するメディアです。
世界有数のグローバル企業であるIBMならではの革新的なヒントや、社会で起きているさまざまな最先端テクノロジーの動向、最新ビジネスの潮流の観点から情報を発信しています。

Mugendai(無限大)(日本アイ・ビー・エム株式会社)

4 解決策の提示

オウンドメディアと広告の最大の違いは、ユーザーが抱える課題や欲求に応える情報を提供しているかどうかです。ユーザー視点に立って、ユーザーが探し求めている情報を提供するのが、オウンドメディアの役割です。

・5点(★★★★★)
ユーザーが抱える悩みや課題に有益な情報や解決策を提言している。ユーザーの利益のためなら、一時的に自社の不利益となる「競合他社を推薦」することもやむをえないとしている。ユーザーの声に耳を傾け、商品やサービスの改善を続けていくことで成長を目指している。

・3点(★★★)
直接的な商品やサービスによる解決策だけでなく、あくまでも長期的視点に立ってユーザーメリットを最優先したアドボカシーマーケティングを実施している。

・1点(★)
ユーザーニーズを満たす自社の商品やサービスの情報はあるが、商品やサービスの訴求のみにとどまっている。提供する情報が、ユーザーニーズをくんだ課題解決型になっていない。

解決策の提示 5点のメディア事例

■サイボウズ式

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「サイボウズ式」は、企業オウンドメディアの成功事例としてよく紹介されるメディアです。「サイボウズ式」がここまで注目をされたのは、ユーザー視点での課題解決の提示が徹底されていることに尽きます。ビジネスパーソンが会社で遭遇するさまざまな課題に対して、お役立ち情報や解決策を提供しています。

サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

■経営ハッカー
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会計ソフトを扱うfreeeが運営する「経営ハッカー」。経営に関するさまざまな情報を提供していますが、課題解決の提案を、ありきたりな二次情報の蓄積ではなく、独自の切り口で行っており、ニュース性・トピック性の高いコンテンツとなっています。

経営ハッカー(freee株式会社)

5 ストーリー性

ストーリーを展開する上で必要なのは、ユーザーが期待し、望むストーリーを描くことです。ユーザーに認知され、商品やサービスを購入してもらうためには、まずユーザーの立場になって心を動かし、態度変容を促すようなストーリーを用意しなければなりません。

・5点(★★★★★)
ユーザーを驚きと発見に満ちた冒険に導き、ユーザーにとって価値のある情報を提供している。ストーリーがわかりやすく一貫性があり、理解しやすい。ストーリーが行動喚起へとうまく結び付いている。

・3点(★★★)
トピックが、ある程度行動喚起に結び付いているものの、多少ばらばらで、蛇行していると感じられる。真新しいわけではなく、ありがちなストーリーだが、心を動かす驚きや感動がある。

・1点(★)
行動喚起を促すストーリーがまったくないか、あるいはストーリーがブランドと関連していない。ロジックが混乱し、重要な行動喚起が見過ごされている

ストーリー性 5点のメディア事例

■五ヶ瀬ハイランドスキー場2018『今シーズンは、南も営業っ!』
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広告動画ですが、ウェブ広告の在り方を示唆するコンテンツです。インパクトの強さで興味を引き、認知獲得と集客を促すのは広告の手法ですが、「南ちゃん」をヒロインにしたストーリーをシリーズ化することで、ファンの育成を図っています。1本見たら次作も見ずにはいられない作りは、ネイティブ広告を考えている企業の参考になるでしょう。

五ヶ瀬ハイランドスキー場2018『今シーズンは、南も営業っ!』(株式会社五ヶ瀬ハイランド)

6 発見・気付き

情報洪水の時代、瞬時にユーザーに発見・気付きを与える必要があります。そのためには「何が→どうやって→どうなる」という商品・サービスを起点にユーザー視点に落とし込む、これまでの広告的手法ではなく、「どうなる→どうやって→何が」という、ユーザー視点ありきで、商品・サービスを紹介するプロセスでの訴求が必要です。

・5点(★★★★★)
ユーザーに「おや?まあ!へえ~」体験をもたらしている。「今までそんな風に考えたことがなかった!信じられない!」といった反応をユーザーに引き起こしている。

・3点(★★★)
きちんと認識せず正しく言語化できなかった、ユーザーが日頃から抱えていた不満・認識・欲求を、言葉によってうまくまとめられている。ユーザーにとって不明瞭で、混乱をもたらしていた概念を明確化するのに成功している。

・1点(★)
コンテンツは、ユーザーがすでに十分に認識している問題・関心・認識を述べているだけで、新しい説明や洞察がほとんどない。何度も再利用され、使い尽くされ、「またか」と思わせてしまう古いレベルである。

発見・気付き 5点のメディア事例

■ライブドアニュース「【漫画でわかる】ダメ男は叱るほどダメになる!イヌの子育てから学ぶ褒め方」

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LINE株式会社のチーフプロデューサー・谷口マサト氏が企画・制作をしている、「全力コラボニュース」のネイティブ広告「【漫画でわかる】ダメ男は叱るほどダメになる!イヌの子育てから学ぶ褒め方」。「ダメ男」と「犬の飼育」という一見まったく関係のないテーマを関連付けた切り口は、笑いだけでなく、実用性の高い新たな発見・気付きを与えてくれます。
スポンサーはトヨタ自動車株式会社。トヨタ自動車は「DOGサークル」というメディアを運営するなど、愛犬のいるライフスタイルの提案に力を入れています。このネイティブ広告は「DOGサークル」の犬のキャラクター・ワンサーのプロモーションの一環のようです。

ライブドアニュース(LINE株式会社)

7 タイムリー性

オウンドメディアは、基本的に蓄積型メディアの傾向が高いため、ニュースメディアのような速報性やトピック性はあまり求められません。しかしながら、蓄積型メディアはターゲットユーザーに届くまでにある程度時間がかかります。特にソーシャルメディアの役割が大きい昨今、少しでも早く多くのユーザーに届けるためには、タイムリー性の高いコンテンツを配信することも重要です。

・5点(★★★★★)
さまざまな人が話題にしているが、あまり多くの情報が出回っていないトピックを取り上げている。時代の潮流やトレンドをいち早くくみ取ったコンテンツは、それだけで情報の価値を高める。

・3点(★★★)
話題にしている人も少しはいるが、その時点であまり多くの情報が出回っていないトピックを取り上げている。速報性はないものの、話題を提供するコンテンツ。

・1点(★)
ほとんどのことがすでに語られているため、新鮮さを失いつつあるトピックを取り上げている。トピックが時代遅れで古い。

タイムリー性 5点のメディア事例

■東京カレンダー
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「食事は文化である」ことを改めて教えてくれる、東京のグルメ・文化情報メディアです。時代のトレンドを読んだコンテンツづくりを得意としています。東京のグルメ情報を軸にしつつも、東京ライフの楽しみ方を、最新トレンドやスポットと併せて紹介しています。
「東京カレンダー」の連載記事から、テレビドラマ「東京女子図鑑」が誕生したのは記憶に新しいところです。また、同メディアでは「港区女子の終点」という連載小説も掲載。東京に暮らす情報感度の高い人たちのライフスタイルを描きながら、時代のトレンドを反映したスポットを紹介するスタイルは、多くのメディアに影響を与えています。

東京カレンダー(東京カレンダー株式会社)

総合点で見るコンテンツ力

今回は、コンテンツ力を採点する「7つの指標」に、それぞれあてはまる代表的なメディアをピックアップしてみました。

さて、あなたの発信するコンテンツの自己採点の合計は、何点だったでしょうか。採点指標をそれぞれ5点、3点、1点と3つのランクを設定しましたが、ご自身の判断で4点や2点にしていただいても構いません。

Aランク(26~35点)

Aランクだった人は、とても意識的かつ計画的にコンテンツを制作しているといえます。PDCAを回していく中で、今後、自社のメディアが成長していくためにさらに注力すべき指標が見えてくるはずです。競合と一線を画したポジションを確立するために、強化すべき指標を探すフェーズに入ります。

Bランク(16~25点)

Bランクだった人は、一部のコンテンツは高い意識を持って作られているかもしれませんが、いくつか見逃している弱点があるかもしれません。足りないと思う指標を洗い出し、整備・注力してみてください。

Cランク(7~15点)

Cランクだった人は、メディアやコンテンツ制作において、まだ経験も浅く、試行錯誤で運営しているかもしれません。現状に課題を見つけたら、根本から設計を見直し、補うべき点を精査し、制作パートナーを変更するなど、テコ入れする必要があります。

7つの指標を意識したコンテンツ制作を

以上、オウンドメディアを運営するにあたって欠かせない、コンテンツ制作のための7つの指標と、参考にしたいメディアを紹介しました。企画を考えるときやコンテンツを制作するときに、ぜひ参考にしてみてください。最初は、7つの指標を意識する習慣を身に付けるだけでも構いません。

予算には限りがありますので、まずは指標から見つけた弱点を補っていってもいいでしょう。あるいは、最も強いと思われる指標を、さらに強化していく戦略をとってもいいでしょう。
1つの指標を強化するだけでも相乗効果が生まれるので、全体の底上げも期待できます。すべてを一気にと焦らず、一つひとつ可能なところから進めていきましょう。

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著者紹介

成田 幸久(なりた ゆきひさ)
成田 幸久(なりた ゆきひさ) コンテンツディレクター(コンテンツマーケティング戦略支援・制作支援)

AMEX会員誌「IMPRESSION」や「ワイアード」日本版、JAL機内誌「winds」などで副編集長を務めた後、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほか、「ギズモード・ジャパン」創刊ディレクター、セブン–イレブンとヤフーの共同事業メディア「月刊4B」編集長、オウンドメディアのアドバイザリー支援など、ウェブメディアの企画・運用など実績多数。著書に『愛されるWebコンテンツの作り方 』がある。

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