「SUUMOタウン」に学ぶ!ファンが増えるオウンドメディアの作り方

「SUUMOタウン」に学ぶ!ファンが増えるオウンドメディアの作り方

PVの多いメディアは数多く存在するが、サイトそのものにファンがつくメディアとなると、ぐっと数が減る。ファンがつくのは、「ほかのサイトにはない魅力がある」ということだが、それを実現するのはなかなか難しい。企業のオウンドメディアの場合、人も予算も限られている中で継続していくことが難しく、ファンがつくメディアを作るのは容易なことではない。

それを実現している数少ないメディアが「SUUMOタウン」だ。住宅情報サイト不動産・住宅に関する総合情報サイト「SUUMO(スーモ)」を提供するリクルート住まいカンパニーが、3年半前から運営するオウンドメディアである。

「SUUMOタウン」には、ライターが街への熱い思いを情感たっぷりに語るエッセイを中心に、純粋に読み物としておもしろい記事ばかりがそろっている。いまや、“エモいオウンドメディア”として知られる存在となった「SUUMOタウン」は、どのように運営されているのだろうか。同サイトを立ち上げ、現在はプロデューサー的な立場として関わっている横関崇志氏と、現編集担当の岡武樹氏に話を伺った。

 

「SUUMOタウン」のエッセイからは、書き手の街に対する熱い思いが伝わってくる。はてなブックマークなどSNSを中心に拡散されることが多い。

※ご不明な点は、下記のボタンよりお気軽にご相談ください。

体験や熱、空気感、リアルを伝えたい

――まずは、「SUUMOタウン」のコンセプトについて教えてください。

岡:どこに住もうか考えている人に、「街との出会いを作る」ということです。「こんな街があったんだ!」と、思ってもらえたらうれしいですね。

横関:これまでコンセプトを聞かれたときは「街の週刊少年ジャンプになりたい」と言っていました。でも、そうですね。今、岡が言ったように「街との出会いを作る」は、しっくりきますね。

――「SUUMOタウン」はオウンドメディアですが、3年半でほかのサイトにはまねできない独自の立ち位置を築かれています。特に書き手となるライターが「街」について情熱的に語るエッセイを楽しみにしているファンも多いですよね。どうして、こういった記事を作ろうと?

岡:人と街のミスマッチをなくしたいからです。街についての情報は、観光ガイドブックのような記事はよくありますが、実際にその街に住んだ人が語る記事はそれほど見かけません。良いことや表面的なことだけを書くのではなく、実際に住んでいる、住んでいたからこその体験や熱、空気感、リアル…そういったものを伝えたいと思っています。

横関:だらかこそ、書き手には思う存分、街への愛を込めて書いてもらうようにお願いしていますね。

「SUUMOタウン」は岡武樹氏(左)と横関崇志氏(右)が中心となって運営されている。

エモい記事はどうやって生まれる?

――「SUUMOタウン」の記事は書き手の熱がこもっていて、エモいとも言われていますよね。例えば、駅周辺のお店を紹介する場合、すべて同じトーンで箇条書きにするのではなく、お店の人との会話や、そこに流れる空気感、そういったエピソードが書き手の心情とともに綴られています。こうした記事は、作るのもたいへんではないでしょうか。制作のフローについて教えていただけますか。

岡:一つひとつの記事に手間をかけていますね。今はおかげさまで「SUUMOタウン」が有名になってきたためか、「書きたいです」というお声をいただくようになりました。ただ、そうした方すべてに書いていただいているわけではありません。

――どのように選定をしているのでしょうか?

岡:できる限り直接会って話を伺っています。会って話してみるとその方が本当にその街について書きたい人なのか、それとも「SUUMOタウン」で書きたいと思っている方なのかわかるんです。

――岡さんが求めているのは当然、前者ですよね。

岡:はい。書き手は必ずしも職業がライターでなくてもいいと思っています。例えば、先日書きたいと連絡をくださった櫻井寛己さんという方は、普段はコンビニの運営をされているのですが、会って話を聞くと田端への愛がすごく強くて。執筆の依頼をしたら、すぐに素敵な記事を書いてくれました(11月以降に公開)。

重要なのは街に思い入れがあって、その街の良さをいろんな人に伝えたいという熱量があること。だから、街から考えるのではなくて、あくまで書き手の思いがあるかどうかで取り上げる街も決まります。

横関:ヨッピーさんが書いてくださった上野の記事も、熱量がありました。最初はおすすめ銭湯を紹介する企画だったんです。でも原稿が納品されたら、上野への愛を語った内容になっていました。こういう方向で来るかと。

――書き手をどのように発掘しているのですか?

岡:先程のように「書きたい」とライターさんから言ってもらえる場合もありますが、今まではずっと編集部からのアプローチがメインでした。書き手に直接連絡したり、Twitterで募ってみたりしていました。徐々にいい記事を書いてくださった方から、「こんな素敵な人がいるよ」と紹介いただくことも増えています。センスの良い人はセンスの良い人とつながっていることが多いので、ご紹介はとてもありがたいです。

ここ最近は、外部パートナーさんとのつながりも増えてきました。例えば、(徳谷)柿次郎さんが代表を務める株式会社Huuuuにも編集に入ってもらって、月数本をお任せしています。

――ライターさんの原稿を岡さんの編集で、さらにブラッシュアップしていくと。

岡:クオリティが高まるまでずっとやりとりします。ここをもっと掘り下げられるんじゃないかとか、もっと自分の考えを出してほしいとか、1つの原稿に数ヵ月かけることもあります。

「SUUMOタウン」エモい記事が生まれる理由
  • メディアコンセプトが明確になっている
    • コンセプトは「街との出会いを作ること」
  • 編集方針がぶれない
    • 書き手が街に思い入れがあって、熱量があることを重視
    • 記事の質を高めるためには妥協しない(1記事に数ヵ月かけることもある)
  • 良い書き手に原稿依頼している
    • 気になる書き手にアプローチしたり、Twitterで募ったりしている
    • 良い書き手同士はつながっていることが多く、紹介してもらうこともある
    • できる限り編集者が足を運んでライターに直接話を聞くようにしている
    • 信頼できる外部パートナーと連携している

サイト全体から漂うのはSUUMOタウンっぽさ

――あれだけのクオリティの記事が出せる理由は、そこにあるのですね。印象的な書き手の方は、どなたになりますか?

岡:たくさんいらっしゃるのですが、最近だと清澄白河について書いていただいた白方はるかさんは印象的でした。普段はIT企業でWebディレクターをされているのですが、会って話してみると清澄白河への愛が止まらなくて、打ち合わせ終わった瞬間からとってもいい記事が来るんだろうな、と確信が持てました。結果的に最初からすごくクオリティの高い原稿を送っていただき、写真もイラストもうまくて、感動しました。

――「どこまでいっても家の続きみたいに居心地よい街」という記事ですね。

岡:清澄白河というとブルーボトルコーヒーができてから、おしゃれなイメージを持つ方も多いかと思いますが、そうじゃなくて、穏やかでゆったりして、庶民的で…という暮らしている人だからこそわかる空気感、街の魅力をしっかりと表現してくれました。

――「SUUMOタウン」は、ライターさんとのつながりを重要視することで、独特の記事を制作できるようになったのですね。

横関:やはり人とのつながりは大事ですね。一方で、同じような記事ばかりになって、「縮小再生産」にならないように気を付けています。「SUUMOタウン」の記事は“エモい”といわれますが、それだけになってしまってはサイトの幅を狭めてしまいます。

岡:エモい記事は苦手な人もいますからね。

――確かに、濃ければ良いというものでもないですよね。

岡:劇団雌猫さんの連載、「オタ女子街図鑑」なんかは特に意識して他の記事とカラーを変えています。オタク女子の住宅事情を紹介しながら、快適な暮らしとオタ活の両立を目指しておすすめエリアを紹介するというコンセプトです。

――“エモい”記事群とは明確に雰囲気が違いますね。

横関:ほかにもみうらじゅんさんや東村アキコさん、コアミックスの堀江社長にインタビューしたり、「都心に住む by SUUMO」という雑誌の人気連載「坂の記憶」を転載したりもしています。

岡:結局、すべての人に刺さる記事というのはないと思っていて、だから、メディアとしてはバリエーションをどれだけ持てるかも大事だと考えています。記事によって、どういうユーザーに届くのかは違ってきますから。

同じような記事ばかりだと、同じような属性の人たちだけにしか届かないので、そうならないように、今後はこれまでリーチできていない層に届く企画をもっと考えていきたいですね。

――とはいえ、どの記事も不思議と「SUUMOタウン」の空気感に合っていますよね。「街」という一貫したテーマがあるのもその理由かと思いますが、それだけでもないような…。

岡:そうかもしれませんね。言語化するのが難しいですが、「SUUMOタウン」らしさというのは確かにあります。

横関:本当は今後、新しい人が入ったときのために言語化しないといけないんですが、なかなか難しいですね。“SUUMOタウン道”とでもいいましょうか(笑)。

――成功しているメディアって、そういう独自の雰囲気が出来上がっているところが多いですよね。

横関:すべてのメディアに、「独自の雰囲気」が必要なわけではないですけどね。独自の色をつけず、純粋に情報を提供するメディアも必要です。そこは、役割分担なんだと思います。

――確かにそうですね。

横関:でも、「SUUMOタウン」的なメディアを作りたいなら“っぽさ”はあったほうがいいですね。「デイリーポータル Z」なんかも完全にそうですよね。あれは、編集長の林雄司さんがジャッジされているから、あの空気感が出せるんだと思います。

岡:編集体制が小さいから独自性が出せるのかもしれませんね。「SUUMOタウン」編集部は、創設者である横関が作り上げた方向性を引き継ぎ、私が一人で見ています。コンテンツは外部のライターさんや制作会社さんと協力して作っていますが、意思決定するのは私一人なので軸がぶれることがないんです。もし編集部が大人数だと、すべての記事で独自の空気感を保つのはたいへんだと思います。

横関:結局、属人的なのかもしれません。そのメディアの主軸が誰なのか、それで変わってくるんだと思います。

オウンドメディアを継続するためのポイント

――さて、「SUUMOタウン」のようなメディアを作るための体制やフローについて伺いましたが、もうひとつ、企業メディアである以上は何かしら“結果”を出す必要がありますよね。一般的にはそれがPVだったりするわけですが…。

横関:「SUUMOタウン」は、記事に対してのKPIは置いていないです。そこに縛られると、記事のおもしろさが担保できなくなると考えています。

ただ、何もないのに会社が承認してくれるわけではなく、「SUUMOタウン」の価値については私がきちんと報告しています。記事がバズったことでどれくらいの広告効果があったのか、SNSを中心にどういった声が寄せられているのか、やめてしまったときのリスクはどんなものか…といった内容を、経営層に伝えています。

オウンドメディアをやめるという話が出るのは、お金をかけて効果が出ないとき。ほどほどにお金かけて評判が良かったら継続することができるので、そこは経営陣とコミュニケーションとりながらやっています。

岡:「SUUMOタウン」のようなメディアは、単純に数字だけ見られてしまうとちょっと…。

横関:リスティング広告とか、もっと効率の良いことがあるだろうと言われてしまいますよね。そういう意味では、経営者やマネージャーがコンテンツ制作に理解があることも大事なんだと思います。

岡:コンテンツに理解のある経営者、または経営者に説明できるプロデューサーあるいはマーケター。それと現場。この両輪が必要かなと思います。

 

「SUUMOタウン」流 オウンドメディアを継続するためのポイント
  • コンテンツ制作力のある編集者がいること
  • メディアの価値を説明できるプロデューサーあるいはマーケターがいること
  • 可能ならコンテンツ制作に理解のある経営者がいること

 

――座組が何より大事なのですね。

横関:まぁでも、実は「SUUMOタウン」は検索にも強いんです。街の名前で検索すると上位に来る記事も多くあります。例えば「神楽坂」で4位、「五反田」で2位、阿佐ヶ谷で3位、「西川口」は5位です。「沖縄」で上位はさすがに難しいですが、「沖縄 住む」だと1位に表示されます(2018年10月4日時点)。

記事制作においてSEOは意識していなくて、街の名前をタイトルの左側に寄せることすらやっていません。やはり、ソーシャルでの評価が影響しているのだと思います。

しかも、上位に来る記事は飲食店情報やウィキペディアだったりするので、「SUUMOタウン」の記事とはインテント(意図)が違います。だから競合しないんですよ。そもそもビッグワードになると、検索のインテントがばらばらになりますが、そこで上位に来ているのは思わぬ結果ですね。SUUMO全体のSEOも見ているので、「SUUMOタウン」の現象は興味深いです。

――確かに検索の目的がほかの上位サイトと被らないですよね。

横関:ソーシャル的にふわっと検索してきた層が、「SUUMOタウン」の記事タイトルに興味を持って記事を読んでくれるというケースも多いです。元々SUUMOはほかにもメディアを持っていて、SEOも好調です。ただ、SEOはプル型なので、検索して情報を取りにくる層以外には届きにくい。そこで、「SUUMOタウン」では、ソーシャルでバズる記事を出すことで潜在層を取っていくことを意識しています。もっとも、記事を出してみると、期せずしてSEO面でも潜在層の獲得につながっている節があります。

――ソーシャルと検索、どちらからの流入が多いのでしょうか。

横関:記事によりますが、長期的にいうと8割くらいがSEOです。記事を公開した直後は、半々くらいになったりしますが。

岡:書いた方がツイートしてくれたりすると、やはりソーシャルが伸びますね。ただ、それもいきなり跳ねる人と、じわじわ増える人がいます。

――これからのメディア運営がどうなっていくのか、アドバイスやメッセージをいただけますか?

横関:「SUUMOタウン」らしさって、実はSUUMOらしさでもあると思うんです。やっぱりオウンドメディアって、会社のビジョンが反映されていくものだし、それに沿っていなければ続かないと思います。

岡:読者の目はどんどん肥えていて、良い記事かそうでない記事かって、もう見たら一発でわかるんじゃないかな、と思います。手抜き記事はすぐにばれてしまいます。だから、いかに質の良い記事を出し続けられるかが大切だと思います。

横関:それは健全なことだと思いますね。良いコンテンツを作る人が評価される世界になっていってほしいと思います。

「SUUMOタウン」編集部おすすめ!攻めた5記事

最後に「SUUMOタウン」編集部がおすすめする、攻めた5記事を伺ってみました!

関内と関外と〜横浜の「境界」を歩く〜(著者:黄金頭)

岡「公開するのが少し大変だったんですが…(笑)。出して良かったなと思える個人的にも好きな黄金頭さんの記事です」

https://suumo.jp/town/entry/kannai-goldhead/

「上野」の良さをひたすら語る ~四季のある街、上野・浅草~(著者:ヨッピー)

横関「続編ともいえる『渋谷のヤクザマンションの話』もおすすめですよ」

https://suumo.jp/town/entry/ueno-yoppymodel/

ごろごろ、神戸(著者:平民金子)

岡「思わず神戸に行って歩きたくなる平民金子さんによるエッセイです。この記事がきっかけで、神戸市役所のホームページで『ごろごろ、神戸2』『ごろごろ、神戸3』の連載もはじまったんです」

https://suumo.jp/town/entry/kobe-heimin/

元ジャンプ作家・鈴木信也さんが振り返る、「Mr.FULLSWING」などの漫画制作秘話と思い出の街

岡「マンガで街紹介、しかも元ジャンプ作家が描くというSUUMOタウンでも異色の内容になっています」

https://suumo.jp/town/entry/hiratsuka-shinya_sheep/

東京で暮らすなら、いつも心に「不真面目」を――みうらじゅんさん【上京物語】

https://suumo.jp/town/entry/koenji-miurajun/

横関「みうらじゅんさんとSUUMOタウンとマッチするのか、取材までは不安もありましたが、熱量のある内容になりましたね」


ナイルでは、オウンドメディア全体の戦略設計から対応することができます。また、さまざまなコンテンツを作成して、情報発信していきたいけれど、記事を書くリソースがないお客様に、コンテンツ制作代行のプランをご用意しております。まずはお気軽に以下よりご相談ください。

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編集者情報

金子 光
金子 光(かねこ ひかる)
新卒で楽天グループ株式会社に入社。
営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。
現在はナイルのマーケティング相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。
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監修者情報

ナイル編集部
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2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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