コンテンツマーケティングを長く走らせるための「70:20:10」の法則

コンテンツマーケティングを長く走らせるための「70:20:10」の法則

コンテンツマーケティングは、よくマラソンに例えられます。コンテンツは、マラソンを完走するために必要なエネルギー源です。コンテンツなくして走り続けることはできません。では、長距離走において、どんなコンテンツを作っていけばいいのでしょうか。

ただやみくもに「おもしろコンテンツ」や「バイラルコンテンツ」を求めても、コンテンツマーケティングの主目的である「ユーザーとのエンゲージメントの向上」にはつながりません。コンテンツは、意図と目的を持って計画的に配分を考え、設計する必要があるのです。

そこで役に立つのが「70:20:10」の法則です。米国・ロミンガー社が、リーダーシップを発揮できるようになった人たちに「どのような出来事が役立ったか」について調査したところ、「70%が経験、20%が薫陶(※)、10%が研修」という結果だったそうです。

この「70:20:10」の法則が、意外にもさまざまなシチュエーションであてはまります。

例えば、ビジネスでいえば「70%は既存事業の強化、20%は成長プロダクトの開発、10%は新規事業」、恋愛なら「性格70%、外見20%、意外性10%」、生活費なら「支出70%、貯蓄20%、投資10%」といったところでしょうか。毎月の手取り収入が30万円だとしたら、21万円が支出、60,000円を貯蓄、30,000円を投資。なるほど、これならできそうですね。

では、さっそく「70:20:10」の法則の視点から、コンテンツマーケティングを見ていきましょう。

※人徳や品位などで人を感化し、良い方向に導くこと。

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発信すべきコンテンツの割合は、「70%は競合市場、20%はオリジナル市場、10%はニッチ市場」向けとなります。

競合市場 70%

最も多く配信すべきは、ターゲットユーザーが興味を持っている競合市場に向けたコンテンツになります。特有の領域ではないですが、市場のニーズなので定期的に発信する必要があります。ユーザーの課題を解決したり、欲望を満たしたりするコンテンツなので、すでにニーズが明白にある要素を取り入れるのが良いでしょう。

例えば、寝具を売る会社であれば、「快眠」や「不眠解消」に関するコンテンツを配信します。レンタルスペースを提供する会社なら、「地域、広さ、用途」に応じた会場や会議室を紹介するのがいいかもしれません。

とはいえ、ウェブ上を漁ってコピペするだけの二次情報には、たいした価値は生まれません。安いからといって、クラウドソーシングで1本数千円の記事を大量生産してもまったく意味はありません。自社が持つノウハウを反映したコンテンツや、取材を元にした一次情報のコンテンツを作るのが理想ですが、予算的・リソース的に難しければ、せめて切り口(企画)を工夫するよう、心掛けましょう。

これらのコンテンツは、おもにターゲットユーザーが抱える課題や悩みに応える「課題解決型コンテンツ」となります。

オリジナル市場 20%

競合他社との違いを生み出せるコンテンツは、自社メディアの大きな武器となります。市場が興味を示していますが、競合はその興味を満たせない、自社でしか提供できないオリジナルコンテンツです。新しい試みや、イノベーションを取り入れてみるといいでしょう。

例えば、結婚プロデュースを手掛ける会社であれば、お客さんの結婚式から「泣けるシーン」だけを集めた動画を配信したり、「引き出物の人気ランキング」など独自に調査したオリジナルコンテンツを作ったりします。

レンタルスペースを提供する会社なら「眠くならない会議室」「会議が短くなる会議室」「必ずカップルが成立する合コン会場」といった特集をしてもいいでしょう。

ただ、商品やサービスを紹介するのではなく、自社のサービスである「モノ軸」から、ターゲットユーザーが自分事化できるような「コト軸」に置き換えるのがコツです。

これらのコンテンツは、おもに企業のオリジナリティを打ち出し、広く拡散を狙うことも多いので、「ブランド訴求型コンテンツ」が中心になるでしょう。

ニッチ市場 10%

それほど多くの人が興味を持たないものの、自社が市場で確実に違いを出せるコンテンツです。多少のリスクを取っても、やる価値があると考えられるコンテンツを制作します。挑戦のないところに成長はありません。10%のリスクが取れないようでは、コンテンツマーケティングの成長はないと考えていいでしょう。

例えば、インターネット専門の生命保険を扱うライフネット生命保険は、デイリーポータルZと組んで「ハトが選んだ生命保険に入る」という、異色のコンテンツを展開しました。これは、ニッチ市場を狙った典型的なコンテンツといえるでしょう。
これらのコンテンツは、おもにバイラルを喚起する手段として使われる「バイラル喚起型コンテンツ」となります。

ウェブ制作会社のLIGは、数年前、「伝説のウェブデザイナーをさがして…」と題して、社長みずからが浜辺に埋められるコンテンツで一躍有名になりました。おもしろコンテンツで知られる同社も、実はこのニッチ市場を狙ったバイラル喚起型コンテンツは、全体の10~20%程度で、残りの80%程度は「課題解決型コンテンツ」や「ブランド訴求型コンテンツ」を配信しています。

コンテンツはカンフル剤ではなく「脳内麻薬」

コンテンツマーケティングでは、たくさんのハードルを乗り越え、たくさんの汗を流さなければなりません。速く走ったからといって、3ヵ月や半年ですぐにゴールに辿り着くものではありません。場合によっては1年、あるいは3年かかるかもしれません。

途中で計画的に即効性の高いカンフル剤(広告)を投入する手段をとっても良いでしょう。しかし、カンフル剤は、使い続けると、どんどん麻痺して効きが悪くなり、費用もエスカレートしていきます。

コンテンツマーケティングは、本来カンフル剤に頼ることなく、知恵をしぼり、コンテンツという「脳内麻薬」を分泌して苦難を乗り越えていく戦略です。瞬発力に頼るのではなく、持久力勝負です。脳内麻薬は、短距離を思い切り走っても分泌されません。じっと我慢して長く走り続けて、初めて快楽にいざなってくれるのです。

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著者紹介

成田 幸久(なりた ゆきひさ)
成田 幸久(なりた ゆきひさ) コンテンツディレクター(コンテンツマーケティング戦略支援・制作支援)

AMEX会員誌「IMPRESSION」や「ワイアード」日本版、JAL機内誌「winds」などで副編集長を務めた後、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほか、「ギズモード・ジャパン」創刊ディレクター、セブン–イレブンとヤフーの共同事業メディア「月刊4B」編集長、オウンドメディアのアドバイザリー支援など、ウェブメディアの企画・運用など実績多数。著書に『愛されるWebコンテンツの作り方 』がある。

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